はじめに
30代に入ってから、自分が以前ほど怒らなくなったことに気づきました。20代の頃は、理不尽なことがあれば腹を立てたし、納得できないことには感情が表に出ていました。それが今では、多少のことでは感情が動かない。
一見すると大人になったようにも思えますが、同時に「何かを失っているのではないか」という感覚もありました。
怒らなくなった理由は「成長」だけではない
怒らなくなった理由を、最初は成長や成熟だと思っていました。確かに、感情をコントロールできるようになった面はあります。しかし正直に言えば、それだけではありません。
・怒っても状況が変わらないと学んだ
・感情を出すコストを計算するようになった
・疲れていて、怒るエネルギーが残っていない
こうした現実的な理由が重なり、「怒らない」という選択をするようになったのだと思います。
怒りは「無駄」ではなかった
30代になってから気づいたのは、怒りそのものが悪いわけではなかったということです。怒りは、自分の価値観や境界線が侵されたときに生まれる感情です。
20代の頃、怒っていたのは、
・納得できないことを納得できないと言いたかった
・自分の扱われ方に違和感があった
・もっと良くしたいという気持ちがあった
からでした。怒りの奥には、期待や理想がありました。
怒らなくなったことで失ったもの
怒らなくなったことで、確かに楽にはなりました。衝突は減り、人間関係は表面上スムーズになります。ただ、その代わりに失ったものもあります。
・本音を飲み込む癖
・違和感に慣れてしまう感覚
・「まあいいか」で流す頻度の増加
怒らないことが習慣になると、自分の中の小さな不満や違和感を無視するようになります。それが積み重なると、「自分が何を嫌だと感じているのか」がわからなくなっていきました。
怒りを出さない代わりに、疲れが残る
怒りを外に出さなくなると、感情は内側に溜まります。表では穏やかでも、内側では消耗している。30代になって感じた疲れの正体は、これだったのかもしれません。
怒らない=平穏、ではありません。
怒らない=感情処理を後回しにしている、という状態になることもあります。
怒りを「ぶつける」か「抑える」かの二択ではない
30代になって学んだのは、怒りには第三の扱い方があるということです。
それは、怒りをそのままぶつけるのでも、完全に抑え込むのでもなく、「言語化して扱う」ことです。
・なぜ嫌だったのか
・どこが引っかかったのか
・本当はどうしてほしかったのか
こうして言葉にすると、怒りは攻撃性を失い、自分を理解するための材料になります。
穏やかさと引き換えに、失ってはいけないもの
30代になると、穏やかでいることの価値がわかります。衝突を避け、余計な争いをしない。それ自体は悪いことではありません。
ただし、その穏やかさが「自分を押し殺すこと」と引き換えになっているなら、少し立ち止まる必要があります。
怒らなくなったことを誇る前に、「違和感をちゃんと感じられているか」を確認することが大切だと感じています。
おわりに
昔より怒らなくなった自分は、確かに楽になりました。同時に、感情の一部を手放していたことにも気づきました。
30代は、怒りを減らす時期ではなく、怒りを扱えるようになる時期なのだと思います。
感情を否定せず、でも振り回されない。そのバランスを覚えることで、穏やかさも自分らしさも、両立できるようになる気がしています。


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